ヘルニア・モンテネグロ

 さらに前日に昼まで寝ていたのでほとんど動いてさえいない日にすんなり眠れるはずもなく、結局寝たのは28時過ぎ。起床はいつも通り8時。恐ろしい事に起きて全く身体が動かせなかった。金縛りのように半起きのような感じではなく、動かそうとしたら腰が痛くて少しでも動かそうとするととてもじゃないけど動かせない、と言った感じ。10分ほど耐えてどうにか身体が動かせるようになったので会社に行く準備をして外に出る。が、階段を下りようとして1段下りたところで激痛が走り、これは会社に行くのは無理だと判断。すぐにエレベータで降りるのに切り替えてそのまま病院へ。

 9時開始の形成外科のある病院に会社に電話をしてから9時5分ぐらいに中に入ったらおばあちゃんがすごいたくさんいてビックリした。9時頃に病院の前について、そこで電話をしていたのだけれどその間には2,3人しか入っていかなかったのでそれほど人がいないと思っていたのだが15,6人ほど中にいた。診療開始が9時で待合室の開放はもっと早いのかも知れない。中は本当に賑わっていて、スタッフは大変そう。奥田英朗の「町長選挙」という本に診療所にお年寄りが集まってレクリエーション施設として利用しているみたいな内容が書いてあったが実際にそうだとは思っていなかったので驚いた。みかんとか持ってきて食べるような人はいなかったが集まって談笑していて、ものすごく騒がしかった。そのため病院のスタッフはものすごく大きな声で患者を呼んでいて、やたらと活気があるお店のようだった。患者の耳も悪いから大きな声を出すのは当たり前なのだけれど大病院ではない診療所レベルの病院ってあまり行かないので初めて見る光景に新鮮だった。私が座っている長椅子(4人ぐらいしか座れない)に私を含めて4人座っていて、うち私以外の3人は知り合いで談笑していた。そこにさらに知り合いのおばあちゃんが来たらしく無理矢理4人しか座れないところに座ろうとしたときはビックリした。座れそうに無いことがわかると私のことを睨んできたが、私は腰が痛くてそれどころじゃなかったのでそのまま黙って座っていた。こういう状況じゃなければいくらでも譲るけれどさすがに腰が痛かったのでどうしようもなかった。
 診察が始まって簡単に状況を話すとえらく真面目な顔で「レントゲンをとりましょう!」と言われてその言い方に驚いた。撮り終わって診察に戻るとベッドに寝かされてさらに色々と押されたり曲げられたりしてやたらと驚いたが、どうやらヘルニアを疑われていた模様。模様というより医者はほぼ確信していたようだった。私と言えばそんな病気の事は全く意識の埒外にあったのでなるほど、と場違いに感心していた。結果から言うと疑わしいけれど症状としては足のしびれも特にないし、様子を見ましょう、と言うことになった。どうも構造的に腰痛になりやすい骨の形をしているようだ。飲み薬と湿布を大量に支給され、さらに腰にはベルトを巻かれる事に。ださいと思わなくもないが、これを巻いたら本当に楽になった。ものすごい高額になるのではないかとビクビクしていたが思っていたほど高くなくてほっとした。これが保険の力だよなぁと無意味に感動した。

 腰が痛いためやることもなく、長時間座る事も禁止されパソコンも長時間は使えず、かといって寝てようにも病気で寝ているわけでもないので眠れず、というなかなかに辛い時間を過ごした。寝っ転がりながら漫画を読むのも好きだったがそんな読み方は腰に負担がかかるので出来るはずもなく、また医者にも長時間同じ体勢をとるなと言われたのでちょっと座ってウロウロ、寝っ転がってウロウロというよくわからない行動をとっていた。夕飯後に薬を飲んだらいつの間にか寝ていたらしく、20時に寝て24時に目が覚めてこれを書いている。
 今日は本当に元気な時のありがたみ、というものを再認識させられた。やはり運動を全くしていないのが悪いのかもしれない。