風が吹いて桶屋は儲かったのか、そうでないのか、誰にもわからない

 28時に就寝、8時起床。睡眠時間は昨日と同等だったのに昨日とは打って変わって起きることが「苦痛以外の何者でもない!」という状態だった。ぶっちゃけ眠かった。ちょっとした寝だめ効果はわずか一日で用を成さなくなってしまった。もしかしたら昨日は休みだとわかっていたからすっぱり起きれただけで、今日は仕事だとわかっていたので起きるのが苦痛だったのかもしれない。そうだとすると子供のまま大人になってしまったみたいだ。子供の頃は日曜日にはやたらと早く起きてゲームをやっていた。「休みの日」は「親が起きる時間」まではゲームをやってて良い、というルールだったので睡眠時間が短くても全然問題なかった。好きなことがあれば早く起きることが出来る、という好例だ。
 昨日の夜に読んでいたのは「狂乱家族日記」の八さつめ。土曜日に買ったのが四さつめからなので、土日で5冊、まぁまぁのペースと言えるだろうか。平日は毎日1冊ぐらいは読めるだろうから大体一週間に10冊で、二週間ぐらいは持ちそうだ。モリモリと大量にある物を読んでいくのは大好きだけれど、残りが少なくなってくると段々寂しくなってくる。これは漫画も一緒で、例えば10巻まで出ていてまだ連載中の漫画の場合、新しく10冊買ってきて読んでいる間は楽しいけれど、10巻まで読んでしまったら次に出るのを何ヶ月も待たなければならない。冷静に考えれば待つ間も楽しいと言えるのだけれど、読み進めている時は次の物を脳が渇望するのでその待つことが苦痛に感じてしまう。

 会社に向かったがなんと電車が遅れていた。10分も。駅のアナウンスでは「ラッシュの影響で」と言っていたが、多少雨が降ったとはいえ何もない平日なのに遅延してしまうというのは現状のダイヤ、もしくは運搬能力にムリがあるのではないかと思う。
 ラッシュの解決策なんてものはものすごく簡単で、それに乗って行く先々の会社にフレックスを導入して貰えばいい。もしくは自宅勤務とか。一部の電車はもはやダイヤも運搬能力も限界を超えているように見えるのに列車会社がそういう提言をしないというのは不思議だ。なんとかしろと言われたら運搬能力が限界です、と答えるなら人が利用しなくなるようにすればいいじゃないか、と思うけど客を断るような事はしないらしい。売り上げが減るのが嫌なのだろうか。しかしラッシュが無くなり誰もが快適に電車に乗ることが出来れば顧客満足度は必ず上がるだろう。ダイヤが乱れることも人身事故も減る。しかし当然短期的に見れば収入は減る。だからそんな道を選ぶことは決してないだろう。長期的に見ればそれほど悪い物でもないように思えるけれど、短期的な利益ばかり追う人達には恐らくそんな危険な牌を選ぶことは出来ない。それが大会社の宿命なのだ。
 インフラに関しては難しいと思うけれど、大会社というのは大抵急激な方向の転換は出来ないので、中小企業はその隙間を狙って行動を起こせば十分な利益を得ることが出来る。こうして社会は上手く回っているのであった、なんつて。
 それにしても電車が遅れた理由が会社に着いた後にわかったのだけれど、その理由が少し面白かった。私が乗るところから1時間近く離れた遠くの駅に止まる他の電車(会社すら違う)が遅れ、その影響で遅れたらしい。風が吹けば桶屋が儲かるほどじゃないけれど、遠くで起きたちょっとしたことが卑近な重大な事に繋がっているというのが実感できる。誰しもがきっと何も考えずにやった些細なことが誰か他の人の運命を決定づけた事がきっとあるんじゃないだろうかと想像が出来る。そう考えるとどんな行動をとることもあまり気にならなくなってくる。だって例えば私が外でゴミを拾ってゴミ箱に入れたことによってゴミの収集車が大事故を起こしてしまう可能性だって0ではないのだ。どんなことをしても重大な結果を生むのであれば何をするのであれ気にするのは損だ、ということになる。書いてて「バタフライ効果」に似ているなと少し思った。言ってることは同じか。

 会社ではそれなりに仕事をぼけーっと普通にやっていた。普通すぎて特筆すべき事がないくらい。敢えて言うならもうとっくにリリースしたシステムの一部に仕様バグ(つまり一番最初の検討の時点で間違っていた)っぽいもの(まだ確定じゃない)がみつかったぐらい。ある特別な条件を満たさなければ顕在化しないので多分そのまま放置と言うことになりそう。ある機能をある条件で使わなければならないので多分起きる確率は0.01%ぐらいしかないけれど、ものすごい単純な話しすぎて「何でそんなことしたのよ」という空気だった。しょっちゅうあるわけじゃないけれどこれくらいのことはこういう仕事をしている人は何回かであったことがあると思われる。設計って本当に大切だよな、としみじみと思った。呆れてる人もいたけれど、私はそんなことよりもその機能が「もう5年ぐらい使われていない機能で、今後も使う可能性はほぼ0」なんて言う機能をシステム更改の時に残していた事自体に呆れてしまった。いいじゃん、そんな機能もう無くても……。